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手続き

年間走行距離の違いで保険料は変わる?適正な走行距離とは?

自動車保険では、年間走行距離の違いで保険料に差が生じるケースがあることをご存じでしょうか?

特に年間走行距離が少ない人は、割引のある保険を契約することで、保険料を安く抑えられるかもしれません。

今回は、年間走行距離が保険料に与える影響について解説します。

年間走行距離が短いと保険料が安くなる?

自動車保険では、年間走行距離に応じて保険料を割引する仕組みを採用している保険会社が存在します。

走行距離が短い人ほど車を運転する頻度が低い=事故リスクが低いとみなされ、保険料も安く設定されています。

ただしすべての保険会社が年間走行距離割引を適用しているわけではありません。

車に乗る頻度が少ない人は、走行距離に応じた割引制度を設けている保険会社を選ぶことで、保険料を抑えられるかもしれません。

年間走行距離の区分

自動車保険における年間走行距離区分の目安を見ていきましょう。

ここでは、「三井ダイレクト損保」の例をピックアップしました。

年間走行距離の目安使用頻度の目安(例)
3,000km以下休日のみ使用
(1ヶ月あたり250km未満)
3,001km~5,000km買い物や送迎など
(1ヶ月あたり250km~400km程度)
5,001km~7,000km日常使用+月1回程度の長距離ドライブ
(1ヶ月当たり400km~550km程度)
7,001km~10,000km日常使用+週1回、休日のたびに長距離ドライブ
(1ヶ月当たり580km~800km程度)
10,001km~12,000km日常使用+長距離ドライブや年に一度旅行・帰省に使用
(1ヶ月あたり850km~1,000km程度)
12,001km~15,000km日常使用+長距離ドライブ+年に数回旅行や帰省に使用
(1ヶ月当たり1,000km~1,250km程度)
15,001km~20,000km毎日のように長距離走行する
(1ヶ月あたり1,250km~1,600km以上)
20,001km以上毎日のように長距離走行する
(1ヶ月あたり1,250km~1,600km以上)

参考:三井ダイレクト損保「走行距離の具体的な目安」より

年間走行距離の区分けは、保険会社ごとに異なります。

8区分以上に細かく分けている保険会社もあれば、5区分程度の保険会社もあります。

“年間走行距離”と考えると分かりづらいかもしれませんが、1ヶ月や1週間あたりに換算すると、自分に当てはまる年間走行距離が見えやすくなるのではないでしょうか。

年間走行距離割引を適用している保険会社

では、年間走行距離に応じた割引を設けている保険会社はどれほど存在するのでしょうか?

実際に割引を適用している保険会社を以下にピックアップしました。

保険会社の名称走行距離区分申告方法
アクサダイレクト8区分予定年間走行距離
イーデザイン損保6区分過去1年の年間走行距離
au損保12区分過去1年の年間走行距離
SBI損保5区分過去1年の年間走行距離
おとなの自動車保険5区分過去1年の年間走行距離
ソニー損保7区分予定年間走行距離
三井ダイレクト損保8区分過去1年の年間走行距離(※他社から切り替えまたは継続手続きの場合)
楽天損保8区分過去1年の年間走行距離
チューリッヒ自動車保険5区分予定年間走行距離

※2023年3月現在、筆者調べ

年間走行距離に応じて保険料に差分を設けているのは、「ダイレクト型」の自動車保険がほとんどです。

走行距離区分は5~8区分の保険が多く見られますが、中には12区分の保険もあり、保険会社によって異なることが分かります。申告方法については、過去1年間で実際に走った分を申告する保険が一般的です。

年間走行距離割引を活用して効率よく保険料を抑えたい人は、自分の乗り方に合った保険会社を選ぶことが大切です。

年間走行距離の違いによる保険料を比較

続いて、年間走行距離の違いによる保険料を比較してみましょう。

今回は「ソニー損保」と「おとなの自動車保険」2社のネット見積もりを用いて保険料シミュレーションを行いました。

【共通条件】

  • 車名(型式):トヨタ  ヤリス (MXPA10)
  • 年齢:30歳
  • 等級:12等級
  • 免許証の色:ブルー
  • 補償の範囲:記名被保険者のみに限定
  • 車両保険:なし
  • 使用目的:日常・レジャー使用

※ネット割引等適用後の保険料

ソニー損保の場合

走行距離区分保険料
3,000km以下18,200円/年
5,000km以下19,580円/年
7,000km以下20,800円/年
9,000km以下22,520円/年
11,000km以下23,690円/年
16,000km以下27,740円/年
無制限29,550円/年

おとなの自動車保険の場合

走行距離区分保険料
3,000km以下18,020円/年
3,000km超~5,000km以下19,850円/年
5,000km超~10,000km以下21,520円/年
10,000km超~15,000km以下24,180円/年
15,000km超31,110円/年

上記シミュレーションの通り、年間走行距離割引がある保険は、走行距離が少ないほど保険料が安くなる仕組みです。

区分ごとの保険料の違いを見ると基本的に数千円の追加で収まっていますが、「3,000km以下」と「無制限」や「15,000km超」の保険料を比較すると1万円以上の差額が発生していることが分かります。

“大は小を兼ねる”と、走行距離を多めに申告している人は損をしているかもしれません。

年間走行距離の申告方法は?

走行距離の申告方法には「予定年間走行距離」「過去1年間の走行距離」の2パターンがあり、どちらの数値を申告するかは保険会社によって異なります。

保険料は「走った分だけ」なのか、それとも「走る分だけ」なのかが見極めのポイントです。それぞれ見ていきましょう。

予定年間走行距離を申告するケース

保険始期日から満期日までの1年間で、どれだけ走行するか?あらかじめ予想して、契約時点で保険会社に申告するケースです。“保険料は「走る分」だけ”と謳っている保険会社はこちらに該当します。

あくまでも予想ではあるので、厳密でなくても構いません。予想が難しいと感じた人は、

  • 前年度の年間走行距離を参考にする
  • 一定期間走行距離を計測し、年換算する
  • 普段走行するルートと走行頻度を目安に大まかな走行距離を算出する

というように目安となる数値を探し、おおよその走行距離を申告すると良いでしょう。

過去1年間の走行距離を申告するケース

一方で、保険始期日以前の1年間で実際に走行した数値を申告するケースもあります。

“保険料は「走った」分だけ”と謳う保険会社です。

  • 走行距離を予想しなくて済む
  • 前年の走行距離をオーバーしても追加保険料が発生しない

といったメリットが挙げられ申告もしやすく、多くの保険会社でこちらの申告方法が採用されています。

保険会社によって申告方法が異なるので、どちらのパターンで申告するべきかは、契約前に必ず確認しましょう。

申告した走行距離と異なる結果になったら?

1年間の走行距離を予想して申告する保険の場合、申告した走行距離と大きく異なったときの対応についても知っておく必要があります。

特に申告した走行距離をオーバーした場合、放置していると「通知義務違反」となる恐れもあり、契約解除の対象となる可能性も生じるため注意しましょう。

申告した走行距離をオーバーした場合

走行距離をオーバーした場合、通知義務のある保険会社とそうでない保険会社の2パターンがあり、それぞれ対応が異なります。まずは「通知義務の有無」について確認することが大切です。

契約中の保険が走行距離オーバー時の通知を必要としている場合は、走行距離が超えそう、または超えたと分かった時点で速やかに保険会社に変更通知をしなければなりません。

具体的には「3,000km以下と申告したが、実際は3,000kmを超えてしまったケース」などが当てはまります。

走行距離割引を設けている保険会社のほとんどがダイレクト型なので、基本的にはインターネット上の契約者ページなどから気軽に変更が可能でしょう。

走行距離区分が1段階上がるだけでも保険料に影響するため、当然追加の保険料が発生します。追加保険料の支払い方法は保険会社によって異なるため、あわせて確認しましょう。

申告した走行距離より少なかった場合

申告した走行距離よりも走らなかった場合は、保険料を多く払いすぎていることになってしまいますよね。しかし多くの場合、払いすぎた保険料の返還などはありません。

つまり年間走行距離を予想して申告する保険の場合、「思ったより走らなかった」というケースでは保険料を余分に支払うことになるのです。

年間でどれだけ走るのか?車の乗り方を日頃から意識することで、余分な保険料を払わずに済むかもしれません。

気を付けるべきは、申告した走行距離をオーバーした場合。保険会社によって区分が異なることを念頭におくことが大切です。

  • 自分がどの走行距離区分で申告をしたのか?
  • 何km以上オーバーしたら保険会社への通知義務が発生するのか?

の2点を必ず確認し、思いがけず虚偽の申告となってしまわぬように注意しましょう。

もちろん、最初から嘘の申告をするのもNGです。

自分の走行距離は適正?平均的な年間走行距離

そもそも、世の中のドライバーたちは1年間にどれだけ車を走らせているのでしょうか?

年間走行距離の目安は、およそ1万kmといわれています。

また、ソニー損保が実施した「2022年 全国カーライフ実態調査」を見ると、平均年間走行距離は「6,727km」という結果が出ています。

引用:ソニー損保「2022年 全国カーライフ実態調査」リサーチレポートより

とはいえ車の乗り方は、ドライバーによってさまざまです。一概に「この走行距離が適正」とは言えません。

愛車の楽しみ方によっては「ちょっと走りすぎ?」と心配になってしまうこともあるかもしれませんが、例え平均より走りすぎている場合でも、走行距離を正しく申告すれば補償が受けられない!ということはないので安心してください。

保険会社に対して、年間走行距離の申告に誤りが生じないように、自分の車の使い方を把握することが大切だといえるでしょう。

走行距離別おすすめの保険はこれ!

車の乗り方は人それぞれ。ほとんど乗らない人もいれば、ドライブが趣味で日常的に長距離を走る人など、さまざまなタイプに分かれるでしょう。

ここでは走行距離のタイプ別におすすめの保険プランを紹介します。

任意保険の選び方で迷われている方は、参考にしてみてください。

走行距離が少ない人向け(3,000〜5,000km程度)

平均よりも大幅に走行距離が少ない人は、走行距離割引を適用している保険がおすすめです。中でも「3,000km以下」の区分は平均よりも走行距離が少ないため、該当する人は保険料も大幅に抑えられるでしょう。

走行距離が多い人向け(7,000km以上)

「毎日のように車を使う」「長距離ドライブにもよく行く」といった、走行距離が比較的多くなる人は、走行距離区分なしの保険、または走行距離区分が細かく分けられている保険がおすすめです。

ただし、走行距離区分を採用していない保険は代理店型に多く見られる傾向にあります。

代理店型の任意保険はもともとの保険料が割高となっているため、結果として全体の保険料が高くなってしまうケースも考えられます。

走行距離区分に捉われず、一括見積もりなどで保険料を比較してみるのも良いでしょう。

走行距離が読めない人向け

ライフスタイルの変化に応じて毎年走行距離が大きく変動するケースなど、その年の走行距離が正確に予想できない人もいるでしょう。この場合は、走行距離区分なしの保険、または前年度の走行距離を申告するタイプの保険がおすすめです。

走行距離を申告する必要がない保険であれば、そもそも走行距離を気にする必要もありません。

また前年の走行距離を申告する保険の多くは、申告した走行距離をオーバーしても通知義務や追加保険料は発生しないため、安心して利用できます。

コネクティッドカー保険もおすすめ

走行距離と保険料をより正確に連動させたい人は、コネクティッドカー保険もおすすめです。

保険会社指定の車載機を車に装備すると、走行状況を保険会社側にリアルタイムでシェアすることができ、走行距離に応じた保険料の算出だけでなく事故時にも役立ちます。

現在は代理店型のみで提供されているサービスなので、ダイレクト型に比べると保険料は割高になってしまうかもしれません。しかし、“手厚い補償を合理的な保険料で受けられる”と考えるとお得感がありそうです。

まとめ:車の乗り方を把握して適した保険を選ぼう

主にダイレクト型の自動車保険では、年間走行距離の違いで保険料が左右されます。特に年間走行距離が少ない人は、“走行距離割引”を活用することで、保険料を抑えられるかもしれません。

走行距離による割引の恩恵を受ける際には、いくつか注意点があります。

「予定年間走行距離」か「過去1年間の走行距離」のどちらの申告方法を採用しているかによって注意点も異なるため、契約前に必ず確認しておきましょう。

効率的に保険料を抑えるために、自分の車の乗り方を把握することも大切です。

年間走行距離も考慮して、自分に合った保険会社を選びましょう。

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この記事を書いた人

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夏川さほ(2級FP技能士)

4児の母。国内大手の生命保険会社に2年の勤務経験があり、個人や企業向けに生命保険と損害保険を販売しておりました。保険商品は内容を正しく理解するのが難しいので、わかりやすい解説を心がけています。公的保障を考慮した“本当に必要な保険”を提供したいと考え、2022年6月、FP2級を取得しました。

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