au損害保険株式会社は自転車保険加入状況の全国的な実態調査を実施しました。最近は自転車保険の加入を義務化する条例を設ける自治体が増えています。義務化することで加入率に差がでるのでしょうか?
au損保の調査によると自転車保険の加入率の全国平均は56%となっています。
自転車保険の加入を条例で「義務付けられている自治体」と「義務付けられていない自治体」に分けてみてみると、義務化地域で64.3%、非義務化地域で49.8%の加入率となっていました。
加入率と義務化地域は比例している
加入率が最も高いのは兵庫県の71.5%です。兵庫県は2015年に全国で最初に義務化が実施された自治体です。ランキング上位に加入義務化の都道府県が並んでいることがわかります。
加入率上位5位の自治体をみてみると
- 兵庫県は2015年から義務化
- 京都府は2017年から義務化(加入に努めるとしたのは全国で最初の2007年)
- 滋賀県は2016年から義務化
- 大阪府は2016年から義務化
- 埼玉県は2018年から義務化(加入に努めるとしたのは2012年)
と比較的早い時期から自転車保険加入の義務化を進めた事で加入率が高くなったと考えられます。
保険加入の義務化を進める自治体は、中高生や高齢者向けの自転車交通安全教育を行うなど事故が起こらないような対策も同時に行っており、自転車を安心して乗れるように注力しています。
「もしも」に備えて自転車保険に加入しよう
自転車は身近で便利な乗り物ですが、自動車と同じく命に関わる重大事故に発展する危険性があります。自動車の場合は、自賠責保険に強制的に加入させられるため、もし事故をおこし相手にケガをさせたとしても相手への最低限の補償がなされます。しかし、自転車にはそのような保険加入義務がないため、ケガをさせられた場合に泣き寝入りせざるを得なかったケースもあるようです。
反対に、もし自転車に乗っているときに、事故をおこし相手にケガをさせてしまった場合はどうなるのでしょうか?自治体の自転車保険加入の義務化は、自転車事故が起こった場合の被害者救済と加害者の経済的負担を軽減するためのものですが、条例の多くは「自転車損害賠償責任保険に加入すること」としており、これは自転車の利用によって起きた事故で、他人にケガをさせてしまった場合の損害を補償できる保険のことです。
今まで、自転車保険に入る目的の多くは自身のケガの為でしたが、最近では自分が加害者になってしまった場合に備える保険に注目されるようになりました。
もちろん事故を起こさないに越したとはありません。しかし身近な乗り物である自転車は私たちを被害者にも加害者にもする可能性があります。これを機会に自転車の安全運転を心がけると共に、自分や家族が自転車事故を起こした場合はどうなるのかを考え備えておくことも必要ではないでしょうか?